どう見分ける?天然・合成・人工ダイヤモンドの見分け方を知りたい!
人工ダイヤモンドは、自然のダイヤモンドと同じ化学的構造を持つ人工的に作られたものです。
模造ダイヤモンドは、自然のダイヤモンドまたは人工のダイヤモンドを模倣して作られたものです。
人工ダイヤモンドや模造ダイヤモンドは、自然のものよりも安価です。
人工で作るダイヤモンドがあるって本当?
人工ダイヤモンドは本当に存在します。
人工ダイヤモンドは、自然のダイヤモンドと同じ化学的構造を持つ人工的に作られたものです。
これらは、原石から加工されるのとは異なり、高温高圧(HPHT)または結晶成長(CVD)技術を使用して作られます。
人工ダイヤモンドは、自然のものよりも安価であり、同等の質を持っている場合もあります。
模造ダイヤモンドもあります。
模造ダイヤモンドは、自然のダイヤモンドまたは人工のダイヤモンドを模倣するために作られたものです。
これらは、他の素材(たとえばガラスなど)を加工して、ダイヤモンドのように見えるようにすることで作られます。
模造ダイヤモンドは通常、自然のものや人工のものよりも安価ですが、同等の品質や耐久性は持っていない場合があります。
ダイヤモンドの種類とその特徴は?
天然ダイヤモンドとは
天然ダイヤモンドは、地球上で自然に形成された鉱物です。
特徴としては、以下が挙げられます。
- 唯一性:天然ダイヤモンドは個体ごとに唯一です。指向性、結晶組織、インクルージョンなど、個体に特有の特徴があります。
- 耐久性:天然ダイヤモンドは非常に強いため、割れや損傷から保護されます。
- 美しさ:天然ダイヤモンドは独特な輝きと美しい色彩を持っています。
- 歴史:天然ダイヤモンドは長い歴史を持っていて、文化や歴史的価値があります。
これらの特徴から、天然ダイヤモンドはジュエリーなどに広く用いられています。
また、貴重な天然ダイヤモンドは高値で取引されることもあります。
人工(合成)ダイヤモンドとは
合成ダイヤモンドとは、人工的に作られたダイヤモンドのことです。
高温高圧(HPHT)または結晶成長(CVD)技術を使用して作られます。
自然のダイヤモンドと同じ化学的構造を持ちますが、製造プロセスによって一定の特徴が異なる場合があります。
合成ダイヤモンドは、自然のダイヤモンドよりも安価であり、同等の質を持っている場合もあります。
ジュエリーなどに用いられることもありますが、市場においては自然のダイヤモンドとは値段が異なる場合があります。
また、合成ダイヤモンドは、自然のものとは異なる歴史や文化的価値を持ちません。
模造ダイヤモンドとは
模造ダイヤモンドとは、他の素材を加工してダイヤモンドのように見えるものを作ることです。
自然のダイヤモンドや合成のダイヤモンドを模倣するために作られます。
通常、ガラスやキャップのような他の素材を加工して作られますが、他の素材を用いることもあります。
模造ダイヤモンドは、自然のダイヤモンドや合成ダイヤモンドよりも安価ですが、同等の品質や耐久性は持っていない場合があります。
ジュエリーなどに用いられることもありますが、市場においては自然のダイヤモンドや合成ダイヤモンドとは値段が異なる場合があります。
【これから購入する場合】天然ダイヤを買いたい時に確認すること・気を付けられること
天然ダイヤモンドを買う際には次のようなことに注意することがあります。
- 認証:購入前に天然ダイヤモンドが正真正銘のものであることを確認するために認証書(GIAなど)を確認することを推奨します。
- クラリティ:クラリティは天然ダイヤモンドの質を反映します。低クラリティのダイヤモンドは内部にインクルージョン(傷、空洞)が含まれている可能性が高く、高クラリティのダイヤモンドは透明度が高く、外観も良いものになります。
- カラー:カラーは天然ダイヤモンドの色合いを反映します。無色から淡い黄色またはピンク色のものが最も高級です。
- カット:カットは天然ダイヤモンドの外観を反映します。良いカットのダイヤモンドは、光を反射し、輝きを放つものになります。
- 重量:重量は天然ダイヤモンドの大きさを反映します。カラット(ct)単位で表されます。
これらの要素を考慮して、天然ダイヤモンドを選ぶことで、購入したものが望み通りの品質を持っているかどうかを確認できます。
天然ダイヤモンドか合成ダイヤモンドかを判断するには
- 認証書の確認:認証機関(GIAなど)が発行する認証書は、天然ダイヤモンドの正確な情報(例えば、カット、クラリティ、カラーなど)を示します。認証書がない場合は、天然ダイヤモンドではない可能性が高いです。
- 可視光顕微鏡の確認:可視光顕微鏡を使ってダイヤモンドを見ることができます。天然ダイヤモンドは内部に特有のパターンがありますが、合成ダイヤモンドはそのようなパターンがありません。
- ラマン顕微鏡の確認:ラマン顕微鏡を使ってダイヤモンドの赤外線スペクトルを調べることができます。天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドは赤外線スペクトルが異なります。
- 熱安定性のテスト:熱安定性のテストを行うことができます。天然ダイヤモンドは高温に強いが、合成ダイヤモンドは高温によって変形します。
これらのテストを実施することで、天然ダイヤモンドか合成ダイヤモンドかを確認することができますが、専門的な知識と機器が必要な場合もあります。
【既にお持ちの場合】今すぐ出来る!天然ダイヤかそうでないかを調べる方法!
息を吹きかける
キュービックジルコニアやモアッサナイトでも使用できる方法です。
石に息を吹きかけてからの曇りがすぐに消えれば、本物のダイヤモンドです。
キュービックジルコニアやモアッサナイトは、曇りが消えるスピードが遅いです。
同時に、両方の石が準備できれば調べることができます。
線を引いて線を透かして見る
裸の石の状態であれば、紙に書いた黒い線の上に乗せて判別できます。
天然ダイヤモンドの場合には、その屈折率の影響で、下に書いてある線を確認することができません。
その他のほとんどの石では、線をそのまま通して見ることができるので、確認することができます。
ただし、モアッサナイトでは判別することができません。
重さを確認する
キュービックジルコニアは、天然のダイヤモンドよりも、1.5倍比重が重いと言われています。
他に天然ダイヤモンドであることが分かっている、同カラット数の比較対象があるなら測ることができます。
ただ、手で持っただけではなかなか判断がつきにくいので、現実的な手とは言えません。
不純物の有無を見る
天然ダイヤモンドには、多かれ少なかれ特徴があります。
人工的に作られたダイヤモンドは、欠点がない完璧な状態のものを提供します。
欠点をわざわざ作る方が、技術的に面倒なのです。
反対に、天然ダイヤモンドの方が、内包物や傷があるということもありえるんですよ!
これは、天然だからこそ・天然ならではといえる、「天然の象徴」でもあります。
鑑定機関に依頼する
本当に天然ダイヤモンドかどうかを調べたいなら、専門の鑑定機関で鑑定してもらうことが一番です。
海外では、アメリカのGIA、日本ではCGLなどで、他にもいくつもの鑑定機関があります。
こういった機関は、個人の依頼も引き受けてくれます。
ただし、調査を依頼する際はダイヤモンドが裸石である場合に限ります。
もし、裸石をお持ちの場合であれば、相談してみるのも良いでしょう。
また、これからダイヤモンドを購入する場合には、必ず鑑定機関の鑑定書がついているかどうかを確認するようにしましょう。
鑑定書が付いているダイヤモンドは安心と言えます。
天然ダイヤモンドとそうでないダイヤモンドのメリット・デメリット
天然ダイヤモンドのメリットとデメリット
天然ダイヤモンドのメリット
- 天然:自然界で形成された貴重な石であり、一種の自然の美しい芸術作品とも言えます。
- 歴史:数千年の歴史を持ち、魅力的な伝統を持っています。
- 高純度:高純度のため、光を美しく反射します。
- 希少性:希少な存在であり、値打ちが高いとされています。
- 永久性:時間の経過とともに変質しない永久性があります。
天然ダイヤモンドのデメリット
- 高価格:希少な存在と貴重な性質から、高価格になります。
- 採掘による環境影響:天然ダイヤモンドの採掘は、環境に大きな影響を与えることがあります。
- 選別が困難:形状や質、大きさなどによって品質に差があり、選別することが困難です。
これらは天然ダイヤモンドの一般的なメリットとデメリットであり、個々の要件や条件に応じて異なる場合があります。
合成ダイヤモンドのメリットとデメリット
合成ダイヤモンドのメリット
- 低価格:天然ダイヤモンドに比べて低価格であり、費用対効果が高いと言えます。
- 品質の均一性:同じ工程で作られるため、品質の均一性が高いです。
- 環境に優しい:採掘や輸送などの環境影響を伴わないため、環境に優しいと言えます。
合成ダイヤモンドのデメリット
- 歴史や伝統の欠如:天然ダイヤモンドと比べて歴史や伝統の欠如があります。
- 品質の違い:天然ダイヤモンドに比べて光の反射や透過性などの品質に差があります。
- 認識の問題:天然ダイヤモンドと同様の形状や色に作られることがあり、一部の人々は合成ダイヤモンドを真のダイヤモンドと誤認することがあります。
【豆知識】人工(合成)ダイヤモンドとエシカル消費
人工(合成)ダイヤモンドはエシカルな消費には賛成される一方で、ある種の意見では天然ダイヤモンドと比較して、合成ダイヤモンドが製造に伴う資源や環境への負荷が少ないことによってエシカルな消費とされます。
一方で、合成ダイヤモンドの製造には、資源の消耗や環境負荷が生じることもあります。
例えば、合成ダイヤモンドの製造には大量の電力と高圧力を必要とすることから、製造業者が適切な環境管理や資源管理を行っていることを確認することが大切です。
また、合成ダイヤモンドの製造が多様な地域で行われているため、製造による資源や環境への影響は地域によって異なります。
合成ダイヤモンドの製造に伴う資源や環境への影響を最小限に抑えるためには、製造者に適切な環境や資源管理が求められます。
天然ダイヤモンドの品質基準の「4C」を知ろう!
ダイヤモンドの品質を決めるのは、「4つのC」からなる「4C」という基準。
【ダイヤモンド選びの基礎知識】ダイヤモンドの評価基準4Cとは?
4つのCを以下にご紹介いたします。
Carat(カラット:重さ)
Carat(ct)は、ダイヤモンドや他の宝石の重さを表す単位です。
1カラットは0.2グラムとなります。
また、ダイヤモンドの大きさや重さは、カラット数という値を用いて表現されます。
例えば、1カラットのダイヤモンドは大きさが約6.5mm、重さが約0.2グラムであることを示します。
Color(カラー:色)
ダイヤモンドの色合いを表す指標です。
完全に無色のダイヤモンドが最も高価であり、黄色や淡色などの色合いが強いほど、価値が下がります。
グレーディングシステムでは、ダイヤモンドのカラーをD(純白)からZ(黄色)までの段階で評価されます。
Dは純白のダイヤモンドを表し、Zは黄色のダイヤモンドを表します。
ダイヤモンドカラーは、その価値に大きな影響を与えます。
カラーが純白であると、価値が高くなります。
また、カラーが黄色や淡い色を帯びていると、価値が低下します。
一般的に、ダイヤモンドのカラーは、結婚指輪やジュエリーなどに適したものは、DからGまでのカラーグレードが望ましいとされています。
ダイヤモンドのカラーグレードとは?ファンシーカラーダイヤ・蛍光性についても解説!
Clarity(クラリティ:透明度)
ダイヤモンドの中に存在する見た目に見える細かいインクルージョンやキズなどのクラリティを表す指標の一つです。
インクルージョンやキズは、天然ダイヤモンドを作り上げる過程で発生します。インクルージョンは鉱物、ガス、液体などのまま存在しているものですが、キズはダイヤモンドの表面にある傷です。
ダイヤモンドのクラリティは、国際的に承認されたグレーディングシステムを使って評価されます。グレーディングシステムでは、ダイヤモンドの中に存在するインクルージョンやキズの数、大きさ、位置などを考慮して、F(フレーム)からI3(インクルージョン)までの段階で評価されます。Fは完全に無色で無キズであり、I3は大量のインクルージョンがあり、目に見えるものも存在する状態を表します。
ダイヤモンドのクラリティは、その価値に大きな影響を与えます。クラリティが高いほど、価値が高くなります。
ダイヤモンドのクラリティとは透明度。グレードの選び方はどうする?Cut(カット:形、研磨状態)
ダイヤモンドのカットという特定の形状や角度を指す指標の一つです。
ダイヤモンドカットは、鋭い角度をもった切り口と頂点をもつことで、ダイヤモンドが光を受け入れ、内部から光を散乱させることを可能にします。
このため、カットが適切であると、ダイヤモンドは輝きやすく、魅力的に見えます。
ダイヤモンドカットは、国際的に承認されたグレーディングシステムを使って評価されます。
グレーディングシステムでは、カットの角度や比率などを考慮して、Excellent(エクセレント)からPoor(プア)までの段階で評価されます。
Excellentは完璧なカットであり、Poorは不良なカットを表します。
まとめ
人工で作るダイヤモンドは日々進化しています。
かつては天然ダイヤモンドとは異なる素材を使用していましたが、近年では同じ炭素を利用するものも登場しています。
天然ダイヤモンドか模造品かの簡易な見分け方はありますが、それが適用できないこともありますので、やはりダイヤモンドの専門の鑑定機関の判断が一番と言えます。
天然ものには天然物の、人工物には人工物のそれぞれのメリット・デメリットがありますので、ご自身の目的に合わせて使い分けるのがよいでしょう。