ダイヤモンドの品質や価値はどう決まる?重要視するポイントは?
ダイヤモンドは、自然の中で生み出される天然の鉱物。
内包物や傷、色合い、サイズ、形、などダイヤモンドごとに変わります。
国際的な評価基準として、世界中のダイヤモンド取引で目安として使用されている4Cは、ダイヤモンドの価値を測るものさしです。
ダイヤモンドの品質を決めるのは「4C」
ダイヤモンドは、自然の中で長い時間をかけて生み出される天然の鉱物。
内包物や傷、色合い、サイズ、形、などダイヤモンドごとに変わります。
一つずつ個性があるのです。
研磨され、ジュエリーとなるダイヤモンドは、すべて希少性価値があります。
その中でも特筆した美しさをもったダイヤモンドはより稀少で、価値が高まります。
国際的な評価基準として、世界中のダイヤモンド取引で目安として使用されている4C。鑑定士だけではなく一般の方でも、鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)の記載を見ることによって簡単に判別できる、ダイヤモンドの価値を測るものさしです。
ダイヤモンドの4Cって具体的にどんなもの?
1950年代にG.I.A(米国宝石学会)が明確化したのが「4C」という品質評価基準です。
ダイヤモンドの評価は、
- Caratカラット
- Clarityクラリティ
- Colorカラー
- Cutカット
の4項目で評価されます。
英単語の頭文字「C」が4つなので4Cと言われています。
それぞれ一段階グレードが変わるごとに価値も変動しますので、自身が何を最も重視するかを念頭に置いて判断するのが一番です。
項目ごとの説明の後にあるリンク先では、より詳細に説明しておりますので、興味のある方はぜひ読んでみて下さいね!
【ダイヤモンド選びの基礎知識】ダイヤモンドの評価基準4Cとは?
Carat:大きさ・重量
ダイヤモンドの大きさではなく「重さ」を表す単位のカラットからきています。
1カラット=0.2グラムで換算します。
かつて秤でダイヤモンドの重さを測っていた名残とされています。
カラット数が大きく、重くなるほど、希少価値は高まっていきます。
Color:色
ダイヤモンドは、かすかに黄色がついている物がほとんどです。
黄色いダイヤモンドは見た目に悪い影響を与えます。
無色に近づくほど高く評価され、無色なものをDとし、Zまで23等級で分類します。
ただしファンシーカラーダイヤモンドというジャンルもあり、イエローダイヤモンド・ピンクダイヤモンド・ブルーダイヤモンドなどはっきりと色のついたダイヤモンドは希少価値が高いとして評価されます。
ダイヤモンドのカラーグレードとは?ファンシーカラーダイヤ・蛍光性についても解説!
Clarity:透明度・キズや内包物
ダイヤモンドの表面の傷(ブレミッシュ)や中に入ってしまった内包物(インクルージョン)のあり方によって価値を決めます。
実際の所、ほとんどのダイヤモンドにはこうした何かしらの欠点が含まれると言われています。
上位グレードともなると肉眼で判別のつかない傷や内包物になります。
それもダイヤモンドひとつひとつの個性と言えますので、ある程度の透明度があれば十分です。
反対に内包物が多いと透明度に影響を及ぼし、輝きが半減してしまいます。
ダイヤモンドのクラリティとは透明度。グレードの選び方はどうする?
Cut:カット
カラット・カラー・クラリティは自然が生み出したものですが、カットは唯一人工的な仕上げについて評価します。
研磨する職人の技術次第で、石の魅力を最大化することもあるというカッティング。
逆に価値を落としてしまうこともしばしば。
ダイヤモンドの輝きカットにかかっていると言っても過言ではありません。
ダイヤモンドの美しさを最大限に引き出すカットは、数学的に算出されたラウンドブリリアントカットが一般的。
そしてこのカットのみが4Cを測ることができます。
ハート&キューピッドについて
ハート&キューピッドとはカットの最高評価の更に上のグレードを表す、比較的新しい基準です。
鑑定書にはハート&キューピッドが認められる場合のみ、特別なページが追加されることがあります。
プロポーションとシンメトリーが特に優れているダイヤモンドには、真上から特殊なスコープで拡大すると8つのハートとアロー(矢)が現れます。
この形からハート&キューピッドと呼ばれています。
微細なカットの技術力の高さを目視で確認することができるので、店頭でご覧いただける場合は一度体験してみることをおすすめします。
鑑定と鑑別の違い
ショップでジュエリーを購入すると付いてくる『鑑定書』・『鑑別書』。
この2つは名前が似ていますが、実はまったく異なるものです。
鑑別書は宝石がどんな種類の石なのか、カラット数はいくつか、人工的な処理が施されているのかのみを示します。
ダイヤモンドが本物か偽物かは鑑別書でもわかります。
鑑定書は天然のダイヤモンドであることは前提です。
ダイヤモンドの4C、カラット・カラー・クラリティ・カットや、プロポーション・蛍光性を証明します。
鑑定書とは天然ダイヤモンドのグレードまで評価した報告書です。
ダイヤモンドによく似た石もあるので注意!
ダイヤモンドは人気故に人工的な模造品が多く製造されています。
近年はダイヤモンドによく似た見た目のジュエリーが安価に販売されているのを見ることができます。
なんと模造品であるのに「天然のダイヤモンド」と偽って売っている通販ショップまであるそうで、お店選びは本当に大切なんだなと筆者も感じます。
有名なものは、
- クリスタルガラスをダイヤモンドの形に成形した「スワロフスキー」
- ダイヤモンドと成分が異なる人工石の「キュービックジルコニア」や「モアサナイト」
大きい粒の者は見る人によっては安っぽい輝きを感じるとも言われますが、小さい粒の石はなかなか区別がつかないのが不安な点。
ダイヤモンドか否かを見分ける方法もあるにはありますが、店頭で実践するにはハードルが高く、やはり信頼のあるショップで購入するのが一番の近道です。
更にややこしい合成ダイヤモンド
合成ダイヤモンドは、スワロフスキーやキュービックジルコニアとは一線を画し、天然ダイヤモンドと同じ成分の石を人工的に産出したものです。
見た目だけではなく成分まで一緒ですから、人工であることを除けばほぼダイヤモンドと言っても過言ではありません。
しかしダイヤモンドの価値は美しさだけではありません。
天然ダイヤモンドは何億年という時をかけて圧縮されて出来上がる歴史があるからこそ価値が付きます。
年々産出量が減っていく希少性も拍車をかけています。
合成ダイヤモンドは工場で数週間もあればできあがりますので、そうした価値はありません。
できる限りは本物のダイヤモンドを選ぶべきです。
4Cの優先順位の考え方は?
ダイヤモンドを選ぶ際には肉眼でも一般的に区別がつきやすいグレードを優先すると満足度が高くなります。
まずは1番にカラット、2番にカットに重点を置いてみましょう。
カラットは重さですが、大きさにも関係します。
ダイヤモンドの大きさは完全にお好みです。
大きなダイヤモンドのジュエリーは、歳を重ねても愛用できるでしょう。
また資産としてジュエリーを持つ、という事であれば1カラット以上がおすすめではあります。
カットは、ダイヤモンドの最大の魅力でもある「輝き」に一番影響を及ぼします。
できれば最高グレードのExcellentで、できればGOOD以上がお勧めです。
3番目は、「カラー」です。
こちらはニアカラーレスG以上であれば綺麗なダイヤモンドと感じるでしょう。
4番目は、「クラリティー」です。
ダイヤの内包物は肉眼では識別できず、10倍のルーペを使って発見できるという基準もあります。
VS2以上であれば特に見た目としては問題ありません。
実店舗のあるショップがおすすめ!
自分の目で見ることが大切!
ダイヤモンドジュエリーを選ぶ上で大切なのは、まずは自分の目で見ることです。
ダイヤモンドの個性と価値を示す4Cは、一般的に誰の目から見ても美しいとされている基準が正義のように感じます。
しかし、実際に見てみるとご自身の好みによって最終的な評価が異なる場合もあります。
カット・カラー・クラリティも好みが出ますが、中でも一番顕著なのは「カラット」でしょう。
大きなものほど希少で、価値があるというのが世界胸中認識ですが、購入するのは投資対象としてのダイヤモンドの原石ではなく、ジュエリーのはずです。
「自分の指に指輪をはめてみたら、ダイヤモンドが大きすぎる!」というのは、特に日本人は感じやすいところ。
普段使いには向かないといった使用感は、実際に体感してみないとわからないので注意しましょう。
ジュエリーを購入するショップは、実店舗をきちんと構えているところはやはり安心感があります。
ダイヤモンドを実際に見て自分に合ったものを購入できるほかにも、その店舗・ブランドが本当に信頼できるかを測ることができます。
ネット通販で購入する場合は、まずは実店舗の所在地、電話番号が記載されていて、その店舗の公式サイトであるかをチェックするところから始めてもよいくらいです。
偽物を販売するような悪質なサイトも、残念ながら本当に存在します。
何かが起こった時、実店舗ですぐに対応してもらえるのは、普段身に着けるジュエリーだからこそ大切です。
鑑定書や鑑別書の有無
鑑定書に書かれた項目を読み取ることで、ダイヤモンドの品質や価値を把握することができます。
鑑別書は本物の天然ダイヤモンドであることを保証してくれます。
日本でも有名な大手の鑑定機関についてご紹介します。
CGL CentralGemLabolatory・中央宝石研究所
日本でのダイヤモンド鑑定機関といえばCGLです。
鑑定書の発行部数は、世界最大級とも言われています。
日本の宝石業界で、この鑑定書・鑑別書を作成する店舗は多いです。
GIA GemologicalInstituteofAmerica・米国宝石学会
ダイヤモンドの品質評価基準である「4C」を考案したとされています。
世界で最も権威あるアメリカの鑑定機関です。
ただし、海外の鑑定機関ですので、CGLほど気軽には鑑定に出すことは難しいです。
鑑定書は、記載内容などは統一されているため、デザインの差異があったとしても大きな相違はありません。
これらの信頼できる鑑定機関の鑑定書がついたダイヤモンドならば、より安心して購入できます。
まとめ
ダイヤモンドの品質は国際的基準となっている4Cで判定され、これは鑑定書という形でいつでも確認することができます。
4Cはカット・カラー・クラリティ・カラットで構成され、それぞれのグレードが高くなるほど価値も高まり、価格も上がっていきます。
この4Cが記載された鑑定書の他にも、鑑別書というものもあります。
鑑別書はダイヤモンドが天然のものもしくはイミテーションであるかを判定し、またカラット数を知ることができるものです。
ダイヤモンドによく似たイミテーションも多くの種類があり、天然ダイヤモンドにこだわるなら注意が必要です。
人工のイミテーションダイヤモンドを天然として偽って販売する悪質な店舗もあるようです。
特にネット通販は細心の注意を払い、できる限り実店舗のあるジュエリーショップを選ぶことをおすすめします。