要注意？輝きはダイヤモンドそっくり！キュービックジルコニアとは？

キュービックジルコニアは、ダイヤモンドのようなカットが施され、輝きもそっくりなため「フェイクダイヤモンド」や「模造ダイヤモンド」といった呼ばれ方をされます。
キュービックジルコニアなどの人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いをご紹介します！

キュービックジルコニアは、『偽物のダイヤモンド』の代表格？

世界中の憧れの的であるダイヤモンド。
そのダイヤモンドを模し、見た目はあまり変わらないとも言われる「キュービックジルコニア」はご存知でしょうか？
まるでダイヤのような輝きのジルコニアは、ダイヤモンドのようなカットが施され、輝きもダイヤモンドにそっくりであるため「フェイクダイヤモンド」や「模造ダイヤモンド」といった呼ばれ方もされています。

安いからとダイヤモンドと勘違いして、うっかりキュービックジルコニアを買ってしまう方もしばしば。
昔はキュービックジルコニアといえば、偽物のダイヤモンドとしてあまり良い印象はありませんでした。
しかし、近年になって改めてキュービックジルコニアの魅力が再発見され始め、広く市場に出回るようになってきたことも事実です。

さて、キュービックジルコニアは、天然ダイヤモンドとはどのような違いがあるのでしょうか。

キュービックジルコニアの特徴と価値

特徴

キュービックジルコニアは、屈折率や硬さから見た目まで、ダイヤモンドに非常によく似た人工的に作られた石を指します。
価格は天然ダイヤモンドに比べ非常に安価です。

特徴の一つ目は、「硬度が高い」という点が挙げられます。
天然ダイヤモンドに比べると劣りはしますが、その他の宝石よりも硬いので基本的に割れたり欠けたりする心配がありません。
特徴の二つ目は「カラーバリエーションが豊富」という点です。
人工的に作っている宝石なので、金属元素を混合することによって透明の他、ピンクやブルーなど様々な色を作ることができます。
ダイヤモンドと似た輝きがありながら、好みに合う色にすることもできます。

素材

天然ダイヤモンドとキュービックジルコニアの決定的な違いがあるのが「成分」です。
ダイヤモンドは炭素だけでできているのに対して、キュービックジルコニアはさまざまな成分からできています。
セラミックの材料として使われる二酸化ジルコニウムに、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウムなどを混ぜて結晶にしたものをキュービックジルコニアと呼びます。
成分はまったく違うけれども見た目がよく似ていて硬度がある合成素材です。

価値

ダイヤモンドとよく似たキュービックジルコニアですが、価格にも大きな差があります。
キュービックジルコニアの市場価格は、なんとダイヤモンドの100～500分の1。
高品質なダイヤモンドには鑑定書がついているのに対し、キュービックジルコニアにはありません。
鑑定書とは天然ダイヤモンドの質を評価したもので、これが価値を大きく左右します。

天然のダイヤモンドはジュエリーになれる採掘量自体が少ないです。
宝石になる前の段階の原石はたくさん採ることができますが、ほとんどは輝きが期待できない工業用ダイヤモンドのクオリティ。
ダイヤモンドはポテンシャルが高いものを、さらに原石が磨かれることによってジュエリーにふさわしい、光輝くダイヤモンドに変化します。
しかし、採掘された原石のうち、宝石としてのダイヤモンドになる確率はたったの1割程度と言われています。
供給量が少なくなり、ジュエリーに使えるようなダイヤモンドは高価になります。

対して、キュービックジルコニアは人工で生成されますので、いわば無限に作ることができるも同然です。
見た目は似ているけれど、これだけ差があるのも納得です。

天然ダイヤモンドとキュービックジルコニアの違い・見分け方

【見分け方その1】息を吹きかける

天然ダイヤモンドは熱伝導率が高いので、息を吹きかけると表面が曇ってもすぐに透明な状態に戻ります。

反対にキュービックジルコニアは、天然ダイヤモンドのようには熱伝導率が高いわけではありません。
息を吹きかけると、しばらく曇ったままの状態になります。
なかなかお店ではできませんが、ポピュラーな見分け方のひとつです。

【見分け方その2】水を垂らす

天然ダイヤモンドには水を弾く疎水性があります。
水を垂らすと弾いて水滴が球体のようにダイヤモンドの面上を転がるのが特徴です。

反対にキュービックジルコニアには疎水性がありません。
そのため、水を垂らすと水は丸くまとまらずに、平たく広がって水滴がべちゃっと宝石の上に残ったままの状態になります。

【見分け方その3】油性ペンで書く

天然ダイヤモンドには油に馴染む親油性があります。
そのため油性ペンで線や印を綺麗に書くことが可能です。

反対にキュービックジルコニアは油性ペンを弾いてしまいますので、線や印などを書くことがまったくできません。
見分け方としては面白いですが、本当に試すかどうかは計画的に。

【見分け方その4】線や字を見てみる

新聞紙のような線や文字を描いた紙の上に、ダイヤモンドを置いて透かしてみてください。
天然ダイヤモンドの場合は、キュービックジルコニアに比べて光の屈折率が高いため、乱反射してしまい、線や文字を透かしてみることはできません。

反対にキュービックジルコニアはガラスに透かして見たように、線や文字を確認することができます。
大きめなダイヤモンドでなければ判別は難しいかもしれませんが、ダイヤモンドを傷つけない方法です。

【見分け方その5】虹色の輝き

虹色の輝きを確認してみましょう。
天然ダイヤモンドは、大変に美しい輝きを放ちますが、実はキュービックジルコニアに比べると虹色の輝きは強くありません。

反対にキュービックジルコニアは虹色の輝きが強くでるのが特徴です。
虹色の輝きの度合いによって見分けることができます。
虹色の輝きの方が人によっては美しく見えてしまうかもしれませんが、実はジルコニアの可能性もあるのです。
この特性は、強いスポットライトを浴びるような舞台映えやパーティにはもってこいのため、キュービックジルコニアがコスチュームジュエリーとして人気であることもうなずけます。

【見分け方その6】暗い場所での輝き

ダイヤモンドは薄暗い場所でも輝きは衰えません。
照明を落としたムードのあるレストランですら、ダイヤモンドは輝きを放ってくれます。

反対にキュービックジルコニアは明るい場所で見ると、ダイヤモンドに比べ、光がより虹色に輝きが出て美しくはありますが、薄暗い場所ではこの輝きが弱くなってしまいます。
デートには天然のダイヤモンドジュエリーと言われるのも納得です。

【見分け方その7】重さ

キュービックジルコニアは重さがダイヤモンドの二倍もあります。
天然ダイヤモンドに比べ、密度が高いためです。
手のひらに乗せてみると、キュービックジルコニアの方がずっしりと感じるのだそうです。
しかし、重さを明確に感じるほどの大きさのダイヤモンドと比較する機会は実際ないと思います。

【見分け方その8】綺麗すぎる

キュービックジルコニアは内包物がまったく見えません。
天然のダイヤモンドは地面の中で時間をかけてゆっくり作られる過程で、多くの場合炭素の塊やその他不純物が混ざることがほとんどです。

キュービックジルコニアは人工的に作られるため、完璧に近い状態で不純物がありません。
あまりにも完璧に無色透明で内包物もないのに価格がリーズナブル過ぎるものは、反対にキュービックジルコニアと疑ってもよいかもしれません。

とはいえダイヤモンドかキュービックジルコニアかどうか見分けるのは困難

素人がキュービックジルコニアかダイヤモンドかどうか見極めることは正直難しいのが事実です。
キュービックジルコニアの見分け方もほとんどが実店舗で実践するにはかなりハードルが高いと思います。

キュービックジルコニアとわかっていて購入されるなら良いのですが、大切な宝物になるかもしれないジュエリーを選ぶ際には、安いということだけに惑わされませんように。
信頼できるジュエリー専門店や、宝石鑑定士のいるお店で購入することをおすすめします。

ネット通販で購入される場合にチェックしたいポイント

値札やホームページの商品説明に「キュービックジルコニア」と書いてあるものはもちろんのこと、「CZ」という表記もキュービックジルコニアを指します。

近年は、ネット通販でジュエリーを購入されるケースも増えてきていると思いますので、写真と価格だけではなく、商品説明や商品スペックもしっかりとチェックして購入されることがオススメです。
キュービックジルコニアとわかった上で購入されるなら、まったく問題ありません。

悪質な通販サイトに注意！

サイト上で天然ダイヤモンドと表記されていたのに、キュービックジルコニアが届いたというケースもありえるようです。
ネット通販を利用される際は、まずジュエリーを販売しているサイトの運営者について調べることを推奨します。

ジュエリーショップの見分け方としては、

住所・電話番号は本当に実在するか確認する。
おかしな表現の日本語サイトは避ける。
実店舗を構えているお店を選ぶ。
老舗のショップを選ぶ。

この辺りを気を付けてみて頂ければ、悪質な通販サイトはできる限り避けることができます。

ただし、悪質なサイトの手口も巧妙になってきています。
実在する他社の店舗の連絡先や名前、サイトのデザイン・内容すらもコピーして、勝手に使用することもあります。
実際に弊社の名前を勝手に騙っていたという事例もあり、非常に困っております。

まずは、サイトのURLを確認しましょう。
弊社を例にとりますと、

【SUEHIRO公式サイト】https://jewelry-suehiro.co.jp/

このように簡潔で、URLにしっかりと店舗名が記載されていますね。
悪質なサイトはURLに関係のない文字・言葉を使用し、comや.jp以外の末尾であったりすることが多いです。
またサイトに書いてある連絡先や店舗名を、もう一度googleやyahooといった検索エンジンで調べてみることをおすすめします。

もし、検索の上位にあなたが見ているサイトが表示されなかったなら、注意が必要です。

鑑定書をつけてもらえる店もある

ダイヤモンドのクオリティまで表記される「鑑定書」や、ダイヤモンドが本物であることを証明する「鑑別書」が付属されることがあります。
婚約指輪といったダイヤモンドに高品質なものが求められるジュエリーを購入したいという場合には、確認してみましょう。
鑑定書は、ダイヤモンドを、色（カラー color）、透明度（クラリティ clarity）、重さ（カラット　carat）、研磨（カット cut）で評価した結果が示されています。
それぞれの頭文字を取った4Cという評価基準はダイヤモンドの美しさと価値を一目で理解できるものです。

米国宝石学会GIAや中央宝石研究所CGLといった、信頼出来る機関の鑑定書付きのダイヤモンドなら安心です。

キュービックジルコニアは婚約指輪や結婚指輪に向かない

たとえ、高品質なキュービックジルコニアであっても、2カラット以上の指輪が10万円前後で購入可能です。
しかもその原価の大半は指輪の金属部分の材料の価格です。

最近では、インターネットショップなどで多く取り扱われており、カジュアルなライトジュエリーから、コスチュームジュエリーにも使われており、アクセサリーの素材として新たな選択肢となっています。

大変便利なキュービックジルコニアですが、残念ながら婚約指輪や結婚指輪として選択するカップルはほとんどいません。
ブライダルリングは一生に一度と言える特別な贈り物という考え方は今も昔も変わっていません。
プロポーズの時はダイヤモンドリングが欲しいと思っている方も、高品質な本物をあげたいという方も多いものです。

近年開発された真の人工ダイヤモンド

キュービックジルコニアは酸化ジルコニウムを結晶化した人工物であるため、人工ダイヤモンドと表現されることもあります。

しかし実は、キュービックジルコニアと人工ダイヤモンドは別物です。
人工ダイヤモンドとは、天然ダイヤモンドと同じ炭素を主成分として結晶化し人工的に再現したものを指します。
「合成ダイヤモンド」や工場でできるため「ラボグロウンダイヤモンド」とも言われます。
こちらは数週間で作成可能で、熟練の鑑定士であっても見分けることが難しく、機械で測定をしてやっとわかるといった具合で、技術力の進歩に目覚ましいものを感じます。
キュービックジルコニアよりも天然ダイヤモンドに近い代用品として、新たな選択肢になりつつあります。

流行のエシカルジュエリー「モアサナイト」

モアサナイトは、ダイヤモンドと非常に似ていますが、まったく別物で、炭化ケイ素という物質が結晶化したものです。
宇宙から降ってきた隕石の中から発見された宝石で、地球上ではめったに産出されません。
1998年頃には、モアサナイトを科学的に製造する方法が編み出されました。
ダイヤモンドに似ている新しい人工宝石として市場に出回り始めています。

もっとも特筆すべき特徴は、製造にかかるエネルギー消費量は、先ほど紹介した人工ダイヤモンドのなんと1％以下ということ。
モアサナイトはSDG’sに配慮した人工宝石であるのです。
ダイヤモンドに代わる環境に優しいエシカルな選択肢として、新たに選ばれることが多くなってきています。

有名なスワロフスキーはジルコニアの一種

通常のジルコニアよりも、よりダイヤモンドの輝きに近い輝きを実現したのがスワロフスキージルコニアです。
スワロフスキー社が長年培ったカット技術によって、ダイヤモンドのように輝くジルコニアを実現し、今や知らない人はいないトップブランドにまでなっています。
肉眼では確認することが難しいですが、石には「Swarovski Zirconia」の刻印が入っています。

キュービックジルコニアは「気軽にダイヤモンドらしさを楽しめる」

天然ダイヤモンドの価値と比較するとどうしても雲泥の差ができてしまうキュービックジルコニアですが、ご自身で納得して使う分には非常に美しく利便性の高い石です。
ダイヤモンドのような輝きを持ちながら、手軽に揃えられるお値段帯。
日頃から気兼ねなくアクセサリーを楽しみたい！という方におすすめです。
ここぞと決めたいシーンではダイヤモンドを、デイリー使いで気楽に楽しむのはキュービックジルコニアを、と賢く使い分けるのもおすすめです。

石を大きくしてもリーズナブルですので、ユニークなデザインにも挑戦できますし、パーティ用にもぴったりです。
キュービックジルコニアは、なくしてしまったり、傷が付いたりする可能性のある場面でも大活躍。
安心なトラベル用のジュエリーとしても人気があります。

キュービックジルコニアアクセサリーの価格

2,000～3,000円台の数千円の手頃なものから、シルバーや10金を合わせた10,000～20,000円台の数万円のものもポピュラーに販売されています。
金属部分がシルバーのものは、時間が経つと変形したり黒く変色したりする可能性もあります。
できる限りプラチナや18金ゴールドを選んだ方がよいのですが、キュービックジルコニアの価格と釣り合わず、価格が妥当にならないことが多いため避けられる傾向にあります。

キュービックジルコニアを活かす

胸元で存在感を放つネックレスは、大きさやデザインも大切です。キュービックジルコニアなら価格的に大きい石も簡単に選びやすいですが、安易に大きい石を選ばない方がよいこともあります。
コーデとのバランスが崩れてしまうことがないように、特に普段のファッションに取り入れる際には、全体の統一感もイメージして似合うボリュームのネックレスを選びましょう。

反対にカクテルパーティなど、カジュアルさとエレガンスが混ざり合った華やかなイベントには輝きの眩いアクセサリーがあると心強いでしょう。
キュービックジルコニアであれば、大きな石や沢山の石がついたボリュームのあるコスチュームジュエリーにぴったり。
ユニークなモチーフにも気軽にチャレンジできて、いつもとは異なるファッションを気軽に楽しめそうです。

キュービックジルコニアを買った後の注意点・お手入れの仕方

キュービックジルコニアの美しい輝きを保つためには、お手入れもしていきましょう。
特に難しいことはありません。

注意点

キュービックジルコニアのジュエリーに使用している素材によっては、お手入れ方法が適さない場合もあります。
特殊なものの場合は購入したジュエリーショップに持って行き、クリーニングを行ってもらうのも手です。

お手入れ方法

キュービックジルコニアに汚れが付着すると、輝きが失われてしまいます。
肌からの皮脂汚れは天敵です。
普段から使用後にはクリーニングクロスで拭いて、汚れを取り除いておきましょう
拭くだけで綺麗になるので、とても簡単です。

特別なケアとしては、中性洗剤を使用して漬け込んでみましょう。
中性洗剤を数滴垂らした水に浸けた後、ブラシで優しく汚れを落としてから洗い流し、水気を拭きます。
購入したショップで、超音波洗浄機クリーニングしてもらえることもあります。

まとめ

天然ダイヤモンドに似た輝きを放つキュービックジルコニア。
価格が安く、カラーバリエーションも豊富なため、好みに合う理想のジュエリーを手軽に手に入れられます。

かつて、キュービックジルコニアはダイヤモンドの偽者と言われ、避けられてきましたが、認知度も上がり、ダイヤモンドにはない良さも認められ、一般的になりました。
しかし、婚約指輪・結婚指輪といった、特別な意味を持ったジュエリーには、やはりキュービックジルコニアは避けるのがよいでしょう。
ファッションやシーンといったTPOによって、使い分けるのがベストです。